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秋の味覚を楽しむために大切なお口の健康 ~高齢者とご家族で取り組む予防と栄養管理~

2025年10月13日

秋といえば、サンマやサツマイモ、栗、柿、きのこなど「秋の味覚」が豊富に並ぶ季節です。実りの秋を存分に味わうには、「しっかり噛める歯と健康なお口」が欠かせません。しかし、高齢になると歯や歯ぐきの状態、かむ力、飲み込む力などが少しずつ低下し、「食べたいものが食べられない」というお悩みを抱える方も少なくありません。

今回は秋の味覚を健康に楽しむために大切なお口の健康管理について、そしてご家庭と歯科医院でできる予防の取り組みをお伝えします。当院には管理栄養士が在籍しており、歯科と栄養の両面から皆さまの健康をサポートしていますので、ぜひご家族での参考にしてください。

 

高齢者に多い「口腔機能低下」とは?

 

高齢になると、むし歯や歯周病によって歯を失うだけでなく、「噛む力」「飲み込む力」「舌や唇を動かす力」が少しずつ衰えてきます。これを「口腔機能低下症」と呼びます。

例えば、

  • 秋のサンマを骨ごときれいに食べられない
  • 焼き栗や干し柿が硬くて食べにくい
  • きのこや野菜の繊維が飲み込みづらい

 

といった体験をされた方はいらっしゃいませんか?

これらは単なる「年齢のせい」ではなく、口腔機能の低下によるサインかもしれません。そのまま放置してしまうと、食欲が落ち、低栄養や体力低下につながり、さらには誤嚥性肺炎や全身の病気のリスクにもつながります。

 

家庭でできる予防の工夫

 

ご家族と一緒に取り組める予防方法をいくつかご紹介します。

 

  1. よく噛む習慣を意識する

やわらかい食事が続くと噛む力が弱くなります。秋の味覚を楽しむ際には、根菜類を煮物にする、きのこを汁物に入れるなど、自然に「噛む」機会を増やしましょう。

  1. 口腔体操を取り入れる

食前に「あ・い・う・え・お」と大きく口を開けて発声する体操は、唇や舌の動きを鍛え、食べこぼしや飲み込みの不安を減らす効果があります。

  1. 水分をしっかりとる

口の乾燥は噛みづらさや飲み込みづらさの原因になります。秋は空気が乾燥し始める季節ですので、こまめに水分を補給しましょう。

 

歯科医院でできる予防とサポート

 

ご家庭での工夫とあわせて、歯科医院での定期的なケアもとても大切です。

  • むし歯・歯周病の早期発見
  • 義歯(入れ歯)の調整や修理
  • 噛み合わせの確認
  • 舌や口の動きのチェック

さらに、当院では管理栄養士による栄養指導を行っており、お一人おひとりに合わせた食事の工夫をアドバイスしています。

全身の健康とお口の健康のつながり

「噛めない」「食べられない」ことは単なる口の問題ではありません。十分に栄養が取れなくなることで、筋力の低下や免疫力の低下、さらには認知症や生活習慣病にも影響すると言われています。

秋の味覚はビタミン・ミネラル・食物繊維など栄養が豊富です。それらをしっかり噛んで食べることが、体力維持や病気予防につながります。つまり、お口の健康を守ることは、全身の健康を守る第一歩でもあるのです。

ご家族で一緒に取り組みましょう

高齢者の口腔機能の低下は、ご本人だけの問題ではなく、ご家族全体で支えることが大切です。食卓で同じ料理を楽しみながら「噛む習慣」を意識する、声を出す体操を一緒に行う、定期的に歯科検診に通うなど、家族ぐるみでの取り組みが効果的です。

当院では、ご家族そろって通いやすい環境を整えており、管理栄養士と連携して「噛める・食べられる喜び」をサポートしています。

 

まとめ

秋はおいしい食材がたくさん実る季節です。せっかくの味覚を十分に楽しむためにも、お口の健康を守ることは欠かせません。

  • 高齢者に多い「口腔機能低下症」に注意する
  • 家庭でできる予防(よく噛む、口腔体操、水分補給)を実践する
  • 歯科医院での定期的なチェックや栄養指導を活用する
  • ご家族で一緒に取り組む

 

これらを意識することで、秋の味覚を安心して楽しめるだけでなく、全身の健康にもつながります。

「最近噛みにくい」「飲み込みづらい」と感じる方や、ご家族の食事に心配がある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。私たちは歯科医師と歯科衛生士、そして管理栄養士が連携し、皆さまが健やかに秋の味覚を楽しめるよう全力でサポートいたします。

高齢者の口腔機能低下症とは?家庭と歯科医院でできる予防法と全身の健康へのつながり

2025年9月29日

最近ニュースなどでもよく目にする「口腔機能低下症」
みなさんご存知でしょうか?

これは、年齢とともに噛む力や飲み込む力、舌や唇の動きなどが弱くなり、日常生活に支障をきたす状態のことを指します。
実はこの口腔機能の衰えは、単に「食べにくくなる」だけでなく、栄養不足や誤嚥性肺炎、さらに認知症のリスクにもつながることがわかっています。
つまり、お口の健康は全身の健康を守るうえで欠かせないものなのです。

 

今回は、高齢者の口腔機能低下症とは何か、その予防方法、そして歯科医院に通うことの大切さについてご紹介します。

 

口腔機能低下症のサインとは?

口腔機能低下症は、ある日突然進行するわけではありません。
次のような日常の小さな変化がサインになります。

• 食事中によくむせる、飲み込みにくい
• 硬いものが噛みにくくなった
• 食事に時間がかかるようになった
• 会話の声が小さく、聞き取りにくいと言われる
• 口が乾きやすく、口臭が気になる
• 舌や唇の動きが鈍くなったと感じる

 

ご自身や、ご両親に上記の様なサインはありませんか。
これらは「年齢のせい」と見過ごされがちですが、早めに気づきケアすることで進行を防ぐことができます。

家庭でできる予防方法

口腔機能低下症を防ぐためには、毎日の習慣が大切です。家庭で簡単に取り入れられる予防法をご紹介します。

 

① よく噛む習慣をつける

食事の際に一口30回を目安に噛むことで、あごの筋肉や舌の動きを保ちやすくなります。噛みごたえのある野菜や根菜類を積極的に取り入れるのもおすすめです。

 

② 口の体操

「パタカラ体操」と呼ばれる発声練習は、口の筋肉や舌の動きを鍛える効果があります。「パ」「タ」「カ」「ラ」をしっかり発音するだけで、飲み込みや発声の力が鍛えられます。

 

③ 唾液腺マッサージ

耳の下やあごの下をやさしくマッサージすることで唾液の分泌が促され、口の乾燥やむし歯予防につながります。

 

④ バランスの良い食事と水分補給

お口の機能を維持するには、栄養状態を整えることも重要です。特にタンパク質やビタミンを意識的に摂取し、こまめな水分補給を心がけましょう。

 

歯科医院でできる予防とサポート

家庭でのケアに加えて、歯科医院での定期的なチェックは欠かせません。当院では以下のようなサポートが可能です。

• 歯や入れ歯の状態を確認し、噛む力を維持するサポート
• 舌や唇の動き、嚥下機能の検査
• 専門的な口腔リハビリやトレーニング指導
• ドライマウス(口腔乾燥症)への対策
• 管理栄養士による栄養指導や生活習慣のアドバイス

特に、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療は「噛む力の維持」につながり、結果的に口腔機能低下の進行を防ぎます。

 

お口の健康は全身の健康に直結する

口腔機能が低下すると、食事が偏ったり、十分に栄養を摂れなくなったりします。
その結果、体力が落ちて転倒や骨折のリスクが高まるほか、免疫力の低下や認知症の進行にも影響します。
また、飲み込む力が弱くなると「誤嚥性肺炎」を引き起こす危険があります。これは高齢者の健康を脅かす大きな要因の一つです。
反対に、お口の機能を保ちしっかり噛んで食べることは、脳への刺激にもなり、認知症予防にもつながるとされています。つまり、お口の健康は「生きる力」を守る基盤なのです。

 

歯科医院での定期的なケアが未来を変える

高齢者の口腔機能低下症は、誰にでも起こり得るものですが、予防や早期の対応によって進行を防ぐことが可能です。家庭での習慣に加えて、歯科医院での定期的なチェックと専門的なサポートを受けることで、いつまでも「自分の口で食べる楽しみ」を守ることができます。
「最近食べづらくなった」「飲み込みにくい」と感じたら、ぜひ早めに当院にご相談ください。お口の健康は、全身の健康と生活の質を守る第一歩です。

歯ぎしりが補綴物を劣化させる?~噛める喜びと全身の健康を守るために~

2025年9月5日

みなさんこんにちは
ありい歯科院長の有井です。

当院では常日頃患者様にもお伝えしておりますが、「きちんと噛めること」「全身の健康を守ること」を診療をしていく中でとても大切にしています。
そのためには、天然の歯はもちろん、詰め物や被せ物といった治療したところを修繕している「補綴物(ほてつぶつ)」を長持ちさせることが重要です。

 

しかし、実は無意識に行われる「歯ぎしり(ブラキシズム)」が、その補綴物の寿命を縮め、さらにお口全体や全身に影響を与えることがあります。

 

今回は、歯ぎしりが補綴物に与える影響と、それが引き起こすトラブル、そして当院で行っている対策や治療の選択肢についてご紹介します。

 

歯ぎしりとは?

 

歯ぎしりは、上下の歯を強い力でこすり合わせたり、噛みしめたりする習慣です。

特に睡眠中に起こることが多く、自覚がないまま続いてしまいます。

 

代表的な種類は次の通りです。

 

グラインディング:ギリギリと横にこする

クレンチング:強く噛みしめる

タッピング:カチカチと噛み合わせる

 

歯ぎしりの力は想像以上

 

食事中の噛む力は約20〜30kgですが、歯ぎしりでは50〜100kg以上に達することもあります。

男性・女性によって力のかかり方は違いますが、歯ぎしりをすることがお口の中の環境に大きな影響を与えていることは間違いありません。

正常咬合と言われる「正しい噛み合わせ」だったとしてもこの影響は少なからず受けています。虫歯によって修復した歯や噛み合わせに問題がある歯については、更に影響が大きくなり劣化が加速してしまう可能性も大きいのです。

 

◆歯ぎしりが補綴物を劣化させるメカニズム

 

・ひび割れ・欠け

セラミックやレジンは硬く美しい反面、繰り返しの強い衝撃によりひびや欠けが生じることがあります。

 

・摩耗による形の変化

長期間の歯ぎしりは、補綴物の表面を削り、噛み合わせを乱します。

 

・接着部分の劣化・脱離

強い力が続くと接着剤が劣化し、詰め物や被せ物が外れやすくなります。

 

◆劣化によって起こるお口のトラブル

◆むし歯の再発(すき間に細菌が侵入)

◆噛み合わせの乱れ(全身のバランスにも影響)

◆顎関節症(顎の痛み・頭痛・肩こり)

◆見た目の変化(欠けや摩耗による審美性低下)

 

噛み合わせの乱れや顎関節症は、お口だけでなく全身の筋肉や姿勢にも影響を及ぼすため、まさに「全身の健康」に関わる問題です。

 

当院で行う歯ぎしり対策

 

・ナイトガード(マウスピース)作製

就寝時に装着し、歯や補綴物へのダメージを軽減します。保険適用も可能です。

 

・噛み合わせの調整

補綴物や天然歯の高さを微調整し、力の偏りを減らします。

 

長持ちさせるための素材選びも大切

 

補綴物の耐久性は、素材によって大きく変わります。
特に強い力がかかる奥歯には、高強度のジルコニアやゴールドなど、自費治療で選べる素材が有効です。

 

ジルコニア・セラミック:非常に硬く、摩耗や欠けに強い。審美性も高い。

ゴールド(金合金):適合性が良く、噛む力を自然に分散できる。金属アレルギーのリスクが低い。

 

自費治療は初期費用がかかりますが、長期的に見れば再治療の回数を減らし、歯や全身の健康を守る投資になります。

 

「補綴物を守ることは、全身の健康を守ること」

 

歯ぎしりは無意識のうちに進行し、補綴物の寿命を縮め、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
当院では、「きちんと噛める」ことを土台に、全身の健康を守るための治療・予防をご提案しています。

 

「補綴物を長持ちさせたい」「歯ぎしりが気になる」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
保険診療から自費診療まで、患者さまの生活スタイルやご希望に合わせた最適な方法をご提案いたします。

金属の詰め物・被せ物、実はリスクがある?

2025年7月28日

みなさんこんにちは
ありい歯科 院長の有井です。

さて、皆さん一度ご自分のお口の中を思い出してみてください。
むし歯治療を受けた経験のある方の多くが、歯に金属の詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)をしているのではないでしょうか。

銀色の治療痕が見えると、「しっかり治療をした証」と安心する反面、最近ではこの“金属”によるさまざまなリスクが問題視されてきています。
一方で、金属を使わない「メタルフリー治療」が、機能面・審美面ともに非常に優れていることから、多くの方に選ばれるようになってきました。またアレルギーを起こしにくく、伸縮性に優れていることから、金属を選択するならゴールドを選ばれる方が増えています。

今回は、保険治療の金属の詰め物・被せ物のリスクと、ゴールドやメタルフリー治療の良さについて詳しくご紹介します。

 

金属の詰め物・被せ物に潜むリスクとは?

 

保険診療で使われている金属(いわゆる「銀歯」)は、コスト面でのメリットがある一方で、さまざまな問題を抱えています。

 

1. 金属アレルギーのリスク

銀歯には、パラジウム、ニッケル、銀、スズなどが使われています。これらの金属は唾液などでイオン化し、体内に取り込まれると、時間の経過とともにアレルギー反応を引き起こすことがあります。

・手足の湿疹
・かゆみ
・皮膚炎

といった症状が現れ、「皮膚科で検査して初めて銀歯が原因と分かった」というケースも少なくありません。

2. 歯ぐきの黒ずみ

金属イオンが唾液と反応して溶け出すことで、歯ぐきが黒く変色する「メタルタトゥー」と呼ばれる現象が起こることがあります。一度黒ずんでしまうと自然には元に戻らず、美しい口元を損なう原因になってしまいます。

 

3. 経年劣化によるすき間やむし歯の再発

金属は歯と完全に一体化するわけではなく、長年使っていると歯と金属の境目にすき間ができ、むし歯が再発しやすくなります。特に、金属は熱によって膨張・収縮する性質があるため、食べ物の温度変化によってわずかに動き、すき間が広がってしまうことがあるのです。

ゴールド(金合金)の治療も、実は優れた選択肢のひとつ

最近は見た目の美しさやアレルギーの心配から「メタルフリー治療」が注目されていますが、実はゴールド(金合金)を使った治療も、今なお一定の人気があります。

ゴールドは歯科用金属として非常に優れた性質を持っており、

• 噛む力を自然に分散できる柔軟性
• 歯との適合性が非常によく、むし歯の再発リスクが低い
• 酸化しにくく、腐食の心配が少ない

といったメリットがあります。

見た目が金色で目立つというデメリットはありますが、主に奥歯の治療で「長持ち」や「機能性」を重視する方に選ばれています。
また、ゴールドは金属アレルギーを起こしにくい素材としても知られており、「メタルフリーでなくても、信頼性の高い素材を使いたい」という方にはおすすめの治療法です。

メタルフリー治療とは?

 

メタルフリー治療とは、その名の通り金属を一切使わず、セラミックや樹脂系の素材(レジン、ジルコニアなど)を使った詰め物・被せ物のことを指します。見た目が自然で美しいのはもちろん、体にもやさしい治療法として、最近では保険診療でも一部がカバーされるようになっていますが、全ての歯に適用されるものではないため注意は必要です。

メタルフリー治療のメリット

 

1. 自然な見た目で審美性が高い

セラミックやジルコニアは天然の歯に近い透明感を持ち、パッと見ただけでは治療のあとがわからないほど自然な仕上がりになります。特に前歯など見える場所に使うと、お顔全体の印象が明るくなります。

 

2. 金属アレルギーの心配がない

金属を一切使わないため、アレルギー反応のリスクがありません。過去にアレルギーの症状が出た方はもちろん、今は症状がなくても将来に備えてメタルフリーにする方も増えています。

 

3. 歯ぐきへの負担が少ない

金属は歯ぐきとの境目で黒ずみを生じることがありますが、セラミックなどの材料はそういった心配がありません。加えて、歯ぐきとやさしくなじむため、長期的に見ても見た目と健康を保ちやすくなります。

 

4. むし歯の再発リスクが低い

セラミックやジルコニアは素材の性質上、歯とぴったり密着しやすく、むし歯の再発リスクを抑えることができます。また、表面が非常に滑らかでプラークがつきにくく、清掃性にも優れています。

「銀歯を白くしたい」というご相談も増えています

 

「昔の治療で入れた銀歯が気になる」
「笑った時に銀歯が見えるのがイヤ」

そんな理由で、銀歯からセラミックへのやり替えを希望される患者さまが年々増えています。最適なタイミングと素材をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

未来の歯と体のために、賢い選択を

 

金属の詰め物や被せ物は、これまで多くの歯科治療で使用されてきましたが、身体や見た目に及ぼす影響を考えると、今後は“金属を使わない”という選択肢も重要になってきます。
私たちの歯は、一生ものです。
だからこそ、機能的にも審美的にも、そして健康面でも安心できる治療を選んでいただきたいと思っています。

当院では、患者さま一人ひとりに最適なゴールド・メタルフリー治療をご提案しています。

気になることがあれば、どうぞいつでもご相談ください。

 

学校検診で「歯科受診」が必要といわれたら

2025年7月2日

みなさんこんにちは
ありい歯科 院長の有井です。

 

毎年6月には「歯の衛生週間」があるのをご存知でしょうか。
お仕事や学業が忙しくなかなかメンテナンスに通えていないという方はもちろん、全ての皆さんに年に一回ご自身のお口の健康について考えていただくよい期間かと思います。

4月から新学期や新年度が始まり、健康診断が実施されているのもちょうど今の時期かと思いますが、みなさんの健康状態はいかがでしたでしょうか。
内科的な疾患や要注意については、「早く受診しなければ」と考えられる方は多いと思いますが、歯科健診の「要受診」については後回しにされてしまうことが多いように感じます。

 

特にお子さんが歯科健診で「要受診」案内を貰われた場合には、できるだけ早めの歯科医院受診をお勧めします。

学校からのお知らせを放置して、知らず知らずのうちに悪化、お子さんが痛い思いをされるのは親御さんとしても避けたいですよね。

もし学校から歯科受診のお知らせを貰われたら、以下の手順で歯科を受診なさってください。

 

① なるべく早く歯科医院に予約をする

• 学校からの指摘には「虫歯、歯肉炎、咬み合わせ、歯並び、汚れ(プラーク)」などさまざまな理由があります。

<よくある指摘例:>

o 「C」と書いてあれば虫歯(C=カリエス=虫歯)
o 「G」や「歯肉炎」と書いてあれば、歯ぐきの炎症
o 「歯列」「咬合」などの指摘は、かみ合わせや歯並びの相談

※指摘内容が軽度でも、放置すると悪化する可能性があります

 

② お知らせの紙を持って受診

• 学校からもらった用紙を必ず持参してください。
• 「学校検診でこう言われた」とお伝えいただくと、必要な所を重点的にチェックします。

 

③ 治療や経過観察が必要な場合は、継続して通う

• 1回で終わらないケースもあります(例:虫歯の治療や歯石除去など)。

 

④ 診断結果を学校に提出する(必要な場合)

虫歯だけでなく、痛みや違和感を感じにくい「歯肉炎」の場合も、早めの受診が必要です。
早めの受信が必要な理由としては、

◆子どもの歯肉炎は見えにくく進みやすい

• 子どもは自覚症状が少なく、痛みや腫れを感じにくいことがあります。
• でも、歯ぐきの内側では炎症が進行していることも。

◆ 歯みがきの習慣づけに最適な時期

• 歯肉炎は主に「歯みがき不足(プラークのたまり)」で起こります。
• 歯科医院で歯みがき指導を受けることで、将来の予防にもつながるよいチャンスになります。

 

◆永久歯への影響を防げる

• 特に小学生の時期は、乳歯と永久歯が混ざる時期。
歯肉炎を放置すると、永久歯の歯ぐきにも悪影響が出る可能性があります。

 

迷ったら「とりあえず受診」を選択されるとよいでしょう。
初期の歯肉炎の場合には痛みを伴う様な治療はほとんどありませんのでご安心ください。

「学校からお知らせの用紙は貰っていないけれど不安」という方には、以下のチェックシートを参考にお子さんのお口のチェックをしてみてくださいね。

 

チェック項目

□ 歯ぐきが赤く、腫れているように見える
□ 歯みがき中に出血することがある
□ 口の中がねばつく・におうことがある
□ 歯ぐきがむずがゆい・痛がる
□ 歯に白いモヤ・黄ばみ・汚れがついている
□ 奥歯・永久歯がうまくみがけていない
□ 歯と歯ぐきの境目が汚れている
□ 歯みがきを嫌がる、時間が短い
□ 最近、永久歯が生えてきたところが赤い
□ 学校検診で「歯肉炎」の指摘があった

 

結果の目安としては、0~2個程度なら経過観察で問題ありません。日頃の歯磨きを丁寧にしていただくことを意識なさってください。
もし3個以上あてはまる場合には、歯肉炎の可能性がありますので早めに歯科医院を受診してください。

 

当院では子育て世代の衛生士が多数在籍し、お子さんのケアも十分な知識とスキルで対応させていただいております。「心配だな」「困ったな」と思われる場合には一度ご連絡ください。歯科医院だけでなく、家庭での歯磨きの仕方についてもしっかりとご説明させていただきます。
お子さんの「歯医者さんに通う習慣づけ」はぜひ当院にお任せください。

ご希望合わせた前歯治療のお勧め

2025年6月6日

みなさんこんにちは
ありい歯科 院長の有井です。

前回ダイレクトボンディングについて、その治療方法やメリット・デメリットについてお伝えしましたが、今回は同じく前歯の審美的治療に用いられる「被せ物」との違いや、どちらがどんな症例に適しているのかなどをお伝えできればと思います。

前回のブログでもお伝えしておりますが、ダイレクトボンディングは歯科用の樹脂(コンポジットレジン)で直接修復する治療法です。

かたやセラミックなどの被せ物は、セラミックやMB(メタルボンド)といった素材で全て覆ってしまう治療法になります。

口腔内の状況やご希望によっておススメの治療法は変わってきますが、簡単な表にまとめると以下のようになります。

 

状況別 おすすめの治療法

歯をなるべく削りたくない ⇒  ダイレクトボンディング
小さな欠けやすきっ歯の修正  ⇒ ダイレクトボンディング
美しさと耐久性を最優先したい ⇒  セラミック(特に審美クラウンやベニア)
重度の変色・形が大きく乱れている ⇒ セラミッククラウン

 

歯に直接施術をするダイレクトボンディングと違い、セラミックなどの被せ物の治療は歯を大きく削る必要があること、技工物を作製するための期間や費用がかかることがデメリットにはなりますが、その分耐久性や審美性に優れています。

 

なるべく手軽に気になる部分だけであればダイレクトボンディング
しっかりと審美面を回復されたいのであればセラミックを選択されるのがよいかもしれません。

 

審美治療をされる前にはメンテナンスがおススメ

当院では審美治療を始める前には必ず口腔内のメンテナンスをご提案しております。
実は「歯」だけではなく、その歯を支える歯ぐきの状態が悪いとベストな治療が施術できない場合が多くあります。

歯ぐきの健康は審美治療の見た目にも大きく影響してきます。腫れていたり、出血しやすい状態だと「綺麗な仕上がりにならない」こともあるので、まず定期健診やメンテナンスでしっかりと口腔内をよい状態にしておくことが大切です。

前歯は人に印象を与えることが多い部分でもあります。

自信をもって素敵な笑顔を手にいれませんか。

もちろんその状態によってはご要望を叶えることが難しい場合もありますが、まずは一度ご相談ください。

患者様それぞれのお悩みに即して、きちんとしたカウンセリングを通じ最適なご提案をさせていただきます。

短期間で美しさを手に入れるダイレクトボンディング

2025年5月12日

みなさんこんにちは
ありい歯科 院長の有井です。

 

「前歯の形が気になる」
「前歯の隙間を埋めたい」

こんな相談を当院ではよく患者様からお伺いします。

特に前歯というのは、人の目に触れる範囲でもあり色や形は気になりますよね。
最近よく耳にしたり目にされたりする「ダイレクトボンディング」これは、むし歯や歯の欠けた部分を、歯科用の樹脂(コンポジットレジン)で直接修復する治療法 です。(※保険適用外)
この治療法を使えば、気になる悩みにアプローチすることが可能な場合があります。

 

ダイレクトボンディングのメリットとデメリットは以下の通りです。

【メリット】

 

◎歯を削る量が最小限ですむ

被せ物や詰め物に比べて 健康な歯をほとんど削らずに治療可能!歯に優しいです。

 

◎1回の通院で治療が完了することが多い

型取りや技工所への依頼が不要なので、その場で修復して完了する場合が多い。
治療回数を少なくしたい忙しい人にも最適

 

◎見た目が自然で美しい

周囲の歯との色彩調整が可能。前歯の小さな欠けなんかにもぴったり。

 

◎セラミックに比べコストが抑えられる

自由診療ではあるけれど、セラミック治療よりは比較的安価でできる場合が多い。

 

◎何かあっても修正・再治療がしやすい

欠けたり、色が変わったりしても再修復がしやすい。手直しが比較的簡単。

 

【デメリット】

 

◎保険適用外である。

自由診療の治療であるため、費用がかかる。

 

◎長期的には着色や劣化が起こる可能性がある。

喫煙者やコーヒーやワインがお好きな方は着色がつく場合があります。

 

◎強い力が加わる部位には不向きな場合がある。

奥歯など噛む力が強い場所にはおすすめしておりません。

治療の範囲にもよりますが、「前歯を綺麗にしてみたい」とお考えの方はぜひ一度ご相談ください。

お口の中の状況を事前にしっかりとご説明した上で、料金を含めきちんとご説明させていただきます。

どこまで綺麗になるの?どのくらいもつの?どんなことに気を付けたらいい?気になるご質問があれば遠慮なくお伝えください。

 

院内には術前術後の治療例も準備しておりますので、実際にご覧いただくことでよりイメージもつきやすくなってくださるかと思います。
当院のダイレクトボンディング治療で、患者様の口元に自信をもっていただくお手伝いをさせていただきます。

何歳から定期健診を受けるべき?

2025年4月18日

みなさんこんにちは
ありい歯科 院長の有井です。

保護者の方からよくいただく質問に「子どもの定期健診は何歳から受けるといいですか?」というものあがります。
今回はお子さんの定期健診についてお話させていただきます。

◆子どもの歯科健診は0歳から可能

 

歯医者さんの定期健診は 0歳から 受けることができます。
乳歯が生え始める生後6か月ごろから受診を目安にされるとよいでしょう。多くの自治体では、1歳6か月健診や3歳児健診で歯科検診が行われますが、それとは別に定期的な歯科受診を習慣づけるのが理想的です。

 

◆子供の定期健診で気を付けること

 

<初めての受診は早めに>

・できれば 1歳頃までに初めての受診 を済ませ、歯医者に慣れてもらうとよいでしょう。
・痛みが出てからではなく、予防のために通う習慣をつけることが大切です。

 

<フッ素塗布の活用>

・定期的なフッ素塗布で虫歯予防をする。
高濃度のフッ素が塗布できるのは歯科医院だけです。上手に活用してください。

 

<仕上げ磨きの指導を受ける>

・保護者の方向けに歯磨きのコツや、正しい仕上げ磨きの方法を教えて貰いましょう。
特に 奥歯が生える2~3歳ごろにはしっかり磨けるようになるのが大事です。

 

<食生活のアドバイスをもらう>

・食事のリズムやおやつの時間について相談してみましょう。
当院では管理栄養士がきちんとアドバイスさせていただきます。

 

<子供が怖がらないようにする>

・「痛くないよ」と言いすぎると逆に不安を与えるので注意しましょう。
・終わった後は「よく頑張ったね」と沢山褒めてあげてください。

 

定期健診を習慣づけることで、虫歯の予防だけでなく、歯並びや噛み合わせのチェックもできるためお口の不具合に素早くアプローチすることもできます。
歯科医師や歯科衛生士からの歯の管理だけでなく、管理栄養士からの栄養指導があることで、お口だけでなく全身の健康についてもしっかりと管理させていただけるのが、当院の小児診療の特徴でもあるかと思います。

お口から身体全体の健康も守りたいとお考えの方はぜひ当院へお越しください。

お子さんだけでなく成人の方への栄養指導もさせていただいておりますので、ご家族そろってお越しくださいね。

予防歯科はじめませんか

2025年3月12日

みなさんこんにちは
ありい歯科 院長の有井です。

春は卒業だけでなく、入学・入社のシーズンでもありますね。
環境が変化すると、どうしても慣れるまでに時間がかかり、ついつい「お口の健康」については後回しにしてしまうことも多いですよね。

例年、各学校では4月~5月にかけて歯科健診が実施されます。
その際に「歯科受診必要」の連絡を貰われる方も多いのではないでしょうか。
歯科健診のシーズンがくると「あぁ歯医者に行っておけばよかった」なんて声もよく耳にします。

 

悪くなってから、痛くなってからの歯科受診はあまり乗り気もしないものですよね。
そうならない様に、常日頃からの「予防歯科」を始めませんか。

 

予防歯科の重要性はとても高く、虫歯や歯周病を未然に防ぐことで、健康な歯を長く保つことができます。
歯の治療は一度すると元に戻らないことが多いため、「治療より予防」がとても重要です。

予防歯科のメリット

1. 虫歯・歯周病の予防

定期的な歯科検診やクリーニングで、虫歯や歯周病を防ぎます。

 

2. 治療費の節約

予防によって、将来的な高額な治療費を抑えることができます。

 

3. 健康寿命の延伸

口の健康は全身の健康にも影響します。歯を失うと食事が不自由になり、栄養摂取が悪くなる可能性があります。

 

4. 口臭予防

口の中を清潔に保つことで、口臭を防ぎます。

予防歯科は大人になってからはじめるべき??

いいえ、はじめるべきは「赤ちゃんのころから」が正解です。

実は予防歯科は0歳からスタートできます。
生後6か月頃に乳歯が生え始めたら、歯医者でのケアを始めると理想的です。
もちろん最初は診せていただくだけ、軽くガーゼで拭うだけになってしまう可能性が高いのですが、それでも幼少期から「定期的に歯医者さんでケアしてもらう」ことを定着させるため、本格的な治療が始まるまでに、医院やスタッフに慣れていただくことも大切かと思います。

 

もちろん、大人になってからでも遅くはありません。年齢を問わず、定期受診をされていない方は今すぐ始めることが大切です。

 

年齢別の予防歯科

• 0〜2歳:歯が生えたら、濡れたガーゼで拭いたり、専用の歯ブラシで優しく磨く。1歳頃に初めての歯科検診へ。
• 3〜6歳:仕上げ磨きを習慣化。フッ素塗布を受けると効果的。
• 小学生〜高校生:定期検診を習慣化し、歯並びチェックも重要。
• 成人〜シニア:定期的なクリーニング(3〜6か月ごと)と歯周病予防を徹底。

最後にもう一度。
「痛くなったら歯医者に行く」ではなく、「痛くなる前に予防する」ことが大切です!
私達と一緒にこれからのお口の健康管理をしていきましょう。

 

2025年2月19日

みなさんこんにちは
ありい歯科 院長の有井です。

2月後半になり、少し寒さが和らいでくると今度は花粉症の時期がやってきます。
鼻と口は繋がっているため、実は口腔内ケアを頑張っていただくと花粉症対策に役立つものもあるんです。
前回の体調不良の時の口腔ケアのポイントと同じく、花粉症の時期の口腔ケアのポイントもお伝えさせていただきますので、ぜひお役立てくださいませ。

 

花粉症時期の口腔ケア対策

◎こまめなうがい・口すすぎ

花粉が口の中に入ると、粘膜が刺激されて口の中が乾燥しやすくなります。
外出から帰ったら水やお茶で軽く口をすすぐと、花粉を洗い流せますし、口腔内の乾燥も防ぐことができます。

 

◎歯磨きをしっかりする

花粉症の時期は鼻が詰まりやすく、口呼吸になりがち。
その結果、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなるので、丁寧に歯磨きをして口の中を清潔に保ちましょう。特に夜寝る前はしっかりケアするとよいですね。

 

◎マウスウォッシュや保湿スプレーを活用

口の中が乾燥しやすいときは、アルコールフリーのマウスウォッシュや口腔用の保湿スプレーを使うと潤いをキープできます。
乾燥を防ぐ=口臭を防ぐポイントにもなりますよ。

 

◎舌も清潔に

花粉症で口が乾燥すると、舌に白い汚れ(舌苔)がつきやすくなります。
専用の舌ブラシや、歯ブラシの毛先をやさしく当てて軽く掃除するとスッキリします。

 

◎鼻づまり対策も大事

口呼吸を減らすために、鼻の通りをよくするのもポイント。蒸しタオルを鼻の上に当てたり、加湿をしたりすると楽になりますよ。

 

◎水分補給をこまめに

唾液が減ると口臭や虫歯のリスクが高まるので、水やノンカフェインのお茶をこまめに飲んで、口の中を潤しておきましょう。
糖分の含まれる飲み物を飲まれるときには、ダラダラと飲まず時間を決めて飲まれることをお勧めします。

 

花粉症で口の中が不快になりやすいですが、しっかり口腔内もケアすると少し楽になっていただけると思います。

花粉症で鼻呼吸がしづらく、治療中辛いという方もいらっしゃると思います。当院では患者様の体調に合わせて治療やケアを行っておりますので、どうぞ不快な症状がある場合には遠慮なく歯科医師やスタッフにお申し出くださいね。
また、院内は空気清浄機等で常に空気を綺麗に保っていますので、花粉症の季節も安心してご来院ください。